「命をいただく」カメ五郎から学ぶ生き物を食べるということ

カメ五郎という人物をご存じだろうか。

ニコニコ動画において、「自給自足生活」などの動画を投稿しているサバイバル愛好家だ。

彼のファンは多く、その人気から、今ではテレビ進出まで果たしている。

私も彼の動画はよく見させてもらっている。

カメ五郎の動画の魅力といえば、一般人にはとても真似できないような原始的な行動を、彼がものの見事にやり遂げることだろう。

自分で獲物を捕るところから始まり、火を起こし、調理する。

それらの過程を、彼はたった一人で行うのだ。

その手際の良さには、見ていて惚れ惚れしてしまう。

ただ、それとは別に、カメ五郎の動画からは「人が生きるうえで大切なこと」を学ぶことができる。

それは「命をいただく」という行為についてだ。

今回は、現代人が忘れがちなこの現実について深く言及したい。

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カメ五郎は「命をいただく」ことを教えてくれる

カメ五郎の動画を見ると、私達人間は食物連鎖の頂点に立っていることを実感させられる。

「自給自足生活」というタイトルの通り、この動画内では、食事は全て自分で捕った獲物でまかなわれている。

そのため、普通に生活していれば生涯口にすることがない生き物でも、カメ五郎にとっては大事な食糧なのだ。

最初は「ヘビ」や「カエル」などの爬虫類・両生類から始まり、「バッタ」や「セミ」などの虫も食べていた。

中でも、特に私が衝撃的だったのが「ムカデ」である。

ムカデが食べられるという事実にも驚きだが、それを実際に食べようと考える人がいるなど、この動画を見るまでは考えもしなかった。

だが、カメ五郎はこのムカデを生で食べたのである。

これは本当に衝撃的な映像だった。

まさに彼は現代の野生児だ……。

カメ五郎を見ていると、人間の免疫力とは本当に凄まじいものだと思い知らされる。

ただ、ここまでの話ならば、「ゲテモノ食い」や「アマゾン探索」などの企画で、芸能人でも行っていることだろう。

しかし、カメ五郎の動画は、テレビ番組とは決定的に違うところがある。

それが冒頭で話した「命をいただく」という行為だ。

もうお分かりの通り、これは生き物を解体して、食肉に変えるシーンのことである。

テレビでは獲物を狩るシーンは放送しても、解体するシーンは絶対に流さない。

映像のグロさを考えれば当然のことだろう……。

血や内臓はもちろんのこと、直前まで生きていた動物を捌くというのは想像以上に刺激が強い。

今でこそ大分慣れたが、私も最初にカメ五郎の動画を見た時はショックが大きかった。

きっと耐性のない人ならば、すぐに目をそらしてしまうだろう。

ただ、ヘビやカエルなどの小型の生き物ならば、まだマシな方である。

カメ五郎は、2014年から「カメ五郎の狩猟生活」という動画を投稿している。

タイトルの通り、この動画では「鹿」や「猪」を狩猟している。

やはり小型の生き物と比べ、大型の動物ではその悲痛さがケタ違いだ。

とどめを刺す時の鳴き声、人に怯えながら必死に威嚇する姿、まさに「生き物」としての姿を見た後では、捌くシーンは胸に突き刺さるものがある……。

それまでの動画では、解体シーンが流れても「意外に大丈夫」「美味しそう」などの肯定的なコメントが多かったが、この動画では一変して「可哀想」というコメントを多く見受けられた。

やはり、皆初めての「哺乳類」の命を奪う瞬間にはショックを隠しきれなかったのだろう。

しかし、それに反論するかのように「だったら牛や豚の肉を食うな」「この偽善者」などとコメントする者もいる。

彼等はまるで「命をいただく」行為に、慈悲の精神を持つことは悪だと言わんばかりだ。

だが、私はそれは大きな間違いだと言いたい。

慈悲の精神を持って「命をいただく」ことの大切さ

「命をいただく」行為において、「可哀想」だと感じることは、人間が人間であることの証明だと私は思っている。

野生の動物は、獲物を狩る時に決して可哀想などとは思わない。

空腹を満たすため、ただ本能のままに獲物を喰らっている。

しかし、人間は違う。

人間には「理性」というものがあり、たとえ空腹の状態でも生き物に慈悲の精神を持つことができる。

世の中には「ベジタリアン」という人もいるように、動物の肉を決して食べない人もいるのだ。

このことからも分かる通り、人間とは理性を働かせれば本能にも打ち勝つことができるのである。

これこそが動物と人間との決定的な違いだ。

つまり、「命をいただく」ことに対して、慈悲の精神を持つことは人間として至って正常であり、決して間違いなどではない。

私達は、スーパーに行けば簡単に「肉」を手に入れることができ、精神的苦痛を何も感じずに食べることができる。

しかし、その裏には必ず「生き物を食肉に変える」過程があるのだ。

食肉センターでは、動物を食肉に変えることを「命を解く」というらしい。

この言葉が示すように、肉を食べるためには、必ず誰かが手を汚す必要がある。

だからこそ、私達は「肉」を食べる時には感謝の念を忘れずに、美味しく頂かなくてはならない。

それが「命を解かれた動物」や「業者の方」に対しての最大の敬意となるはずだから。

普段の生活ではつい忘れがちだが、私達はこの事実を決して忘れてはならない。

カメ五郎の動画は、私達がそのことを思い出すきっかけとして大いに役立つ素晴らしい動画だ。

彼には今後も「命をいただく」ことがどういうことなのか、その事実を動画を通して伝えてもらいたい。

耐性のない人にはキツイかもしれないが、彼の動画を見たことがない人は是非一度見て欲しい。

そして、それをきっかけにして「命をいただく」ということを、もう一度深く考えてもらいたい。

多くの人がそのことを考えるようになれば、きっと今より食料を粗末にすることはなくなるはずだ。

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