ストーカー対策の中で、最も効果があるストーカーへの対処方法

人を好きになる気持ちは美しい。

相手のことを心から愛し、相手を思いやることは本当に素晴らしいことである。

だが、それが相手にとって迷惑ならば話は別だ。

そのことを自分で自覚しているのなら何も問題はない。

しかし、中には自分の気持ちを制御できない者がいる。

その歪んだ愛情を持つ者を、人々は「ストーカー」と呼ぶ。

近年、このストーカー被害に悩まされている人が後を経たない。

最悪の場合、それは命の危険性さえ潜んでいる。

そのような悲劇を起こさないために、私達には一体何ができるのか。

私は、それには相手をストーカーにさせないことが何より重要だと思っている。

今回は、ストーカーになる人の心理を考察し、私なりの対処方法を述べたい。

もし、あなたが過去にストーカーに悩まされたことがあるならば、是非参考にしてほしい。

※私はストーカー対策の専門家ではないため、私の意見が完璧に正しいという保証はありませんのでご注意下さい。

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ストーカーになってしまった知人の話

私はストーカー対策の専門家ではないが、私の対処方法はかなりの高い割合で効果があると思っている。

そう言えるのも、過去に私がストーカーになってしまった男を間近で見てきたからだ。

まずはストーカーの事例として、その男の話をする。

その男(以降Jと呼ぶ)と出会ったのは、今から5年程前のことだ。

Jは、以前私がアルバイトをしていた会社の社員だった。

直属の上司だったため、Jとは話す機会も多く、私にプラベートのことを色々と打ち明けてくれた。

ある日、Jは私に好きな人がいると話してきた。

相手は同じ部署にいるFさん。

Jの話によると、すでに二人は親密な仲になっており、毎日メールのやり取りをしているとのこと。

しかし、Fさんが多忙で予定が合わず、なかなか二人で食事に行くことができないようだ。

当時、まだ恋愛に疎かった私は、この話を聞いても特に何も思わなかった。

だが、今になって思えば、この時点ですでにJのストーカー行為は始まっていたのかもしれない……。

問題が起こったのは、それから2ヶ月後。

新年度になり、Jは他部署への移動が決まった。

それから数日後、突然Jから私宛にメールが入る。

「最近Fさんから返信がこない。Fさんに何かあったのか?」

私は、Jのメールが不可解だった。

なぜなら、Fさんはとくに普段と変わりなく毎日普通に出勤していたからだ。

疑問に思いつつも「忙しいだけだと思います」とJに返信し、その場はとりあえず丸く収まった。

しかし、さらに数日後、再びJからメールが入る。

「やはりFさんから返信がない。悪いが理由を聞いてきてくれ」

正直なところ、あまり人の恋愛事情には深入りはしたくなかったのだが、Jにはお世話になっていたこともあり、私は渋々と了承する。

翌日、私はFさんの元に駆け寄り、Jのことを伝える。

すると、Fさんは眉間にシワを寄せ、いつもの穏やかな表情がみるみると険しい表情へと変わっていった。

さすがにこれは何かあると思い、私はFさんに事情を尋ねることにした。

私がJと仲が良かったことを知っていたのか、Fさんはすんなりと詳細を話してくれた。

Fさんの話を聞くと、Jの言っていたことには色々と食い違いがあることが判明した。

まず、Jが言っていた「親密な関係」というのはただの勘違いであり、Fさんには全くその気がないということ。

さらに、メールのやり取りも、ほとんどJが一方的に送りつけているだけだった。

実際にFさんから携帯を見せられると、受信BOXには数分ごとにJから送られてくるメールがびっしりと並んでいた。

さすがの私も、これにはドン引きした。

Jの口ぶりでは、あたかもお互いが好意を寄せているように聞こえていたのだが、実際はJが一人で舞い上がっていただけだったのだ。

Fさんは私に「私が気がないことをJに伝えてほしい」と申し出てきた。

私は一瞬迷った……。

たしかにJの行動は異常だと思ったが、まがりなりにも仲良くしていただけに、Jを傷つけることは気が引けたからだ。

とはいえ、このままFさんを放っておくのも気の毒だと思い、承諾することにした。

その晩、私はJに電話を入れ、それとなくFさんのことを伝える。

すると、Jは突然、「そんなわけないだろ!」と怒声をあげだしたのだ。

なんとか理解してもらおうと色々な角度から話を進めたのだが、結局、最後までJには私の思いは伝わらなかった。

ついには「Fさんと俺に嫉妬しているんだろ!」と言われ、とうとう私も我慢の限界にきてしまった。

このこと以来、Jとは絶縁状態になっている。

しかし、今ではあの時のことを少し後悔している……。

もし、私がもう少しうまくJを説得できていたら……あんなことにはならなかったかもしれないのだから。

Jがストーカー行為を起こしたのは、それから1ヶ月後のことだ。

朝、私が会社に着くと、社員達が神妙な顔つきになっていた。

何事かと思い話を聞いてみると、昨晩Jが警察に連行されたというのだ。

それを聞いて私は驚いた……。

Jの身に一体何があったのかと。

さらに詳細を聞くと、JがFさんを入り口で出待ちし、Fさんの姿を見つけると、強引に手を掴んで何かを訴えていたというのだ。

悲鳴をあげるFさんをよそに、Jの表情は尋常ではないほど切羽詰っていたらしい。

その後すぐに警備員が駆けつけ、Jはそのまま警察に引き渡されたとのこと。

私は信じられなかった。

たしかにJは思い込みが激しいところはあったが、まさかそこまでするとは想像もできなかったからだ……。

後になって知ったのだが、Jはこの時、Fさんからメールを受信拒否されたことに腹を立てていたようだ。

結果的には、Jはなんとか起訴を免れ会社に復帰するが、この件以来、社内ではFさんをストーカーした危険人物という扱いを受けている。

Fさんの方もしばらくして会社を辞めてしまった。

この件は、今でも私の心に後味の悪い思い出として残っている……。

相手をストーカー化させないための方法

前述したJの話でもわかるように、一度相手がストーカーになってしまえば正常な思考に戻ることは非常に難しい。

なので、重要なことは相手がストーカーになる前に食い止めることだ。

それにはまず、ストーカーになりやすい人の思考を知る必要がある。

ストーカーになりやすい人の特徴の一つに、思い込みが激しいということが挙げられる。

Jの話に戻れば、最初の「Fさんと親密な関係である」ということから間違っていたわけだ。

恐らく、Fさんの方からすれば、同じ部署の同僚であり、気まずくなるのを避けるためにJからのメールに応じていたのだろう。

しかし、Jが他部署に移動したことで顔を合わせなくなり、メールを返す必要性がなくなったことから無視するようになったと思われる。

本来なら、メールを無視されている時点で自分に気がないことを悟る必要があるのだが……。

残念ながら、全ての人間がそれを感じ取れるわけではないのだ。

それは【「世の中には二種類の人間がいる」の二種類とは何か】で話したように、世の中には「繊細な人間」と「鈍感な人間」がいるからだ。

私のような繊細な人間ならば、メールを無視された時点で相手の気持ちを察し、相手へアプローチすることはすぐにやめるだろう。

しかし、鈍感な人間はそもそも無視された理由がわからないのだ。

Fさんからすれば、メールを無視することが自分の意思表示だと思っていたのだろう。

しかし、Jのような鈍感な人間にとって、無視されることはストーカーになるためのスイッチでしかないのだ。

意外に思うかもしれないが、ストーカーになる原因の大半は相手に無視されることから始まる。

どうして返信がこないんだ。相手の身に何かあったのだろうか。

想像が妄想を生み、相手のことを考える時間がどんどん増えていく。

しかし、どんなに自分が相手のことを考えても、相手は何も反応してくれない。

そのことで、心は次第にパニック状態に陥り、相手への執着心はますます高まってしまう。

最悪の場合は、相手なしでは生きていけないという思考になる。

こうなってしまったら、もう自分では抗うことはできない。

相手にどうにか反応をもらうため、あの手この手で接点を作ろうと試みるだろう。

Jが行った「メールを送り続ける行為」も、この気持ちの表れなのだ。

これを防ぐために、あなたがすることは一つしかない。

それは、自分の気持ちを正直に相手に伝えることだ。

私はあなたを恋愛対象として見ることはできない。

遠回しにではなく、自分の気持ちをダイレクトに伝えること。

どんなに鈍感な人間でも、こう言われれば相手の気持ちを理解する。

相手がストーカーになる前の状態ならば、ほとんどの場合、すんなりと聞き入れてくれるはずだ。

ただ、稀にこれでも引き下がらない人がいる。

「今はそうかもしれないけど、いずれは君のことを振り向かせてみせる」「気持ちに答えてくれなくてもいい。ずっと好きでいさせてほしい」

このセリフのように、あなたの気持ちとは関係なしに、自分の気持ちだけに焦点を当てている人達だ。

もちろん、このような思考が完全に悪いわけではない。

相手がストーカー行為をすることなく、あなたが迷惑だと思っていないのなら、放っておいても特に問題はないだろう。

しかし、もしあなたがその行為を迷惑だと思っているのなら、このような人達にはもう一つの対処法が必要だ。

それは「このままだとあなたのことを嫌いになってしまうかもしれない」と伝えること。

ストーカーにとって、一番恐れていることはあなたから嫌われることなのだ。

自分の行動があなたから嫌われる原因になるということを知れば、ストーカーは真っ先にその行動をやめるだろう。

ただし、注意してもらいたいのはその言い方だ。

例えば、「やめてください。迷惑です!」のように、感情的な言い方だけは絶対に避けるべきだ。

再度言うが、ストーカーはあなたの気持ちよりも自分の気持ちに焦点を当てている。

なので、あなたがどんなに迷惑だと言い張っても、「自分だけが好きでいればいい」という考えの人間にとっては何の効果もない。

感情的な言い方では、相手に伝わるどころか、むしろ逆上される恐れすらある。

そうではなく、ただ淡々と「あなたから嫌われるかもしれない」という事実を教えればいい。

現に、JもFさんから「嫌われていた」いう事実を上司から教えられ、その時に初めて自分の非を認めた。

このように、ストーカーの対処法で一番効果があることは「あなたの正直な気持ちを相手に伝える」ことなのだ。

ストーカー被害に悩んでいる方は、まずはこの二つの対処方法を試してもらいたい。

自分の気持ちを正直に伝えることの大切さ

以上のように、ストーカーへの対処方法は、まずは「相手に自分が恋愛感情を持てないことを伝える」、それでも食い下がるようならば「相手に嫌いになりそうだという事実伝える」ことだ。

この二つに共通することは「相手に自分の正直な気持ちを伝える」ということ。

ネットでストーカーへの対処方法を調べると、中にはストーカーを相手にせず「無視する」ことを勧めているものがある。

しかし、私はこれは逆効果だと思っている。

たしかにストーカーになってしまえば、相手は正常な判断ができないかもしれない。

しかし、大事なことは相手をストーカーにさせないことである。

いくらストーカーになる資質を持っている人間だとしても、ストーカーになる前の状態ならば、必ずあなたの言葉は伝わるはずだ。

無視という行為は、相手をストーカーにさせることを助長するだけであり、根本的な解決にはならない。

そうではなく、まずはしっかりと相手へ自分の気持ちを伝えてもらいたい。

とはいえ……自分の気持ちを相手に伝えることは、非常に労力を伴うことだ。

その相手が全く興味のない対象ならば、尚更面倒だと感じるかもしれない。

しかし、そこを疎かにしてしまっては、あなたにとっても相手にとっても良いことは一つもない。

どうか、そのことをくれぐれも心に留めておいてほしい。

そしてもう一つ。

相手に自分の気持ちを伝えるということは、相手を解放することでもあるのだ。

前述したように、ストーカーの資質を持つ人は鈍感な人間が多い。

よって、あなたが自分の気持ちを伝えなければ、相手は永遠に苦しみから解放されることはない。

それはあなたに振られることよりも、ずっと残酷なことだ。

以前、私は在日のアメリカ人と話す機会があり、こんなことを言われたことがある。

「日本人はわかりにくい。実際に会っている時はいい雰囲気だと思っても、メールの返信がない。それがNOのサインだと気づくのに物凄く時間が掛かったよ。アメリカ人ならタイプじゃなかったらすぐに言ってくるからね」

彼の発言は、今回話した内容に非常に関連性を持っている。

たしかに、日本とアメリカでは文化が違うのかもしれない。

しかし、どちらがシンプルで後腐れを起こしにくいかと聞かれれば、私は間違いなくアメリカだと思う。

日本の文化である「本音と建前」も、時には必要なことだろう。

だが、こと恋愛に限っては本音を言うことが何よりも大切な事だと思っている。

相手をストーカーにさせないため、ひいては自分の身を守るためにも、どうか自分の気持ちをハッキリと相手に示してもらいたい。

本来、相手を好きになる感情は美しいものである。

その感情を、ストーカーという歪んだ色に染めてしまうのは本当に悲しいことだ。

一人でも多くのストーカーと呼ばれる人達が、歪んだ感情から解放されることを、私は切に願っている。

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