社会不適合者は田舎より都会に住んだ方がいい理由

社会不適合者は生きづらい。

私は、そのことを今までの人生を通して嫌という程味わってきた。

現代社会は急速に発展するIT化の波により、企業はサービスを多角化し、他社との差別化を重視している。

その影響から、働き手に求められる能力はどんどん高くなっており、昔に比べて能力の低い人間は辛酸をなめる機会が多くなっている。

資本主義である以上、これは仕方のないことかもしれないが、社会不適合者にとっては非常に生きにくい世の中になってしまった。

ただ、そんな中でも私が幸運だったことは、私が都会に住んでいることである。

このことで、私は今までどれだけ救われてきただろうか。

もし、私が都会ではなく田舎に住んでいたら、もっと生きづらいと感じていただろう。

そこで今回は、私と同じく社会に溶け込めない人達に向けて、社会不適合者は田舎より都会に住んだ方がいい理由を伝授したい。

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人の多さが強みになる

都会の魅力はなんと言っても人の多さだ。

特に東京は首都というだけあって、全国から人が集まり、住んでいる人の性質も様々である。

それはつまり、社会不適合者の数も多いということだ。

木を隠すなら森の中。

この言葉が示すように、自分が社会不適合者であっても都会なら目立たないのである。

実際、私が今まで働いた職場にも、必ずと言っていいほど社会不適合者と思われる人物はいた。

何十社の職場を見てきたが、例外は一つもない。

そのおかげで、私は今まで特に疎外感を感じずに生きてこられた。

だが、人口の少ない田舎ではこうはいかない。

私には、田舎に住んでいる友人が一人いる。

彼もまた本人も認める社会不適合者だ。

そんな彼から田舎の現状を聞くと、田舎では閉塞感が漂っているのがわかる。

皆働いているのが当たり前であり、「ニート」や「引きこもり」の存在など皆無に等しい。

もし平日の昼間にぷらぷらと外を出歩いていれば、それだけで奇異の目で見られるようだ。

人口の少ない田舎では、人と人との繋がりが濃密であり、噂が広まるのが非情に早い。

少しでも周囲と違うことをすれば、すぐに後ろ指を指されることになる。

悪い意味で村社会なのだ。

田舎には老人が多いことも関係しているのかもしれない。

老人達の価値観は、昔の時代のまま止まっているのだ。

仕方のないことかもしれないが、社会不適合者にとっては、老人達の価値観は生きづらさを増幅させる要因でしかない。

ただでさえ疎外感を感じやすい立場なのに、そのうえ常に周囲の目を気にしなければならないとなれば、ますます塞ぎこんでしまうだろう。

こういったことから逃れるためにも、社会不適合者は人口の多い都会に移住した方が良いと考える。

仕事の種類が豊富

都会に住んだ方が良いもう一つの理由は仕事の種類が豊富なことだ。

正社員にさえ拘らなければ、私のような社会不適合者でも務まる仕事はたくさんある。

この仕事の幅の広さは、都会ならではの魅力である。

実際、田舎に住む友人に就職事情を聞くと、求人の雇用形態は正社員ばかりだという。

一見していいことのように思えるが、【ニート・社会不適合者でもできる「自分に合う仕事」の探し方】でも話したように、正社員であることが社会不適合者にとっては逆に働くことへの足枷となるのだ。

前項でも話したように、田舎の人間関係は濃密だ。

基本的に対人関係が苦手な社会不適合者にとって、濃密な人間関係の職場はデメリットでしかない。

それに対して、都会では田舎に比べて人間関係が希薄であり、派遣やアルバイトは人の入れ変わりも激しい。

ドライな関係性のコミュニティの方が、社会不適合者にとっては働きやすいのである。

さらに言えば、都会の賃金は田舎に比べて格段に高い。

田舎では、たとえ正社員の募集であっても、給料は都会のアルバイトで稼げる金額並であるケースが非常に多い。

綺麗事抜きにして、自立するにはお金が掛かる。

田舎で社会不適合者が自立しようとすれば、とてつもない時間労力を要することになるだろう。

はっきり言って、これは現実的ではない。

その点、都会では仕事の種類も豊富であり、雇用形態も様々なため自分で調整しやすい。

そのぶん物価は田舎より高くなるが、住むだけならばシェアハウスという手もある。

最悪の場合は単発バイトもあり、最低限の食い扶持を稼ぐ手段は残されている。(もちろん安定した収入があるに越したことはない)

なにより、同じ立場の人間が周りにいることが大きい。

「自分以外にも同じ立場の人間がいる」

その安心感は、社会不適合者にとって何よりの心の支えになるだろう。

私は、基本的に田舎で暮らしている社会不適合者は、よほど地元に愛情がない限りは都会に移住するべきだと考えている。

自立するハードルは田舎に比べて格段に低いのだから。

自分で社会不適合者の自覚がある人は、是非とも都会に住むことを目指してほしい。

自給自足を目指す人達について

最近、テレビで都会から田舎に移住した人のドキュメンタリーを見かける機会が多い。

それに触発されるかのように、近年は自給自足生活に憧れる人が多くなっている。

自給自足をすれば最高の自由を手に入れられるし、それ自体は素晴らしいことだ。

だが忘れてはならない。

そのような人達は元々のスペックが高い、ということを。

彼等のプロフィールを見ると、社会人として実績を上げていたり、高学歴だったりする。

中には、誰もが羨むような地位を築き上げ、何不自由のない暮らしをしていた人もいる。

しかし、それでも田舎に移住するのは、田舎の生活の方が自分に適していると考えたからだ。

田舎のゆったりとした生活に憧れたり、大自然と触れ合う生活を望んだり、理由は人によって様々だが、いずれも「田舎でしか感じられない物」を求めて移住している。

つまり、彼等は消去法で田舎を選択しているわけではないのだ。

都会でも生きられる術を持っているうえで、あえて田舎生活を選んだのである。

このことを理解せずに自給自足生活を目指している人があまりにも多い。

ただ単に自分が社会不適合者だからという理由で、安易に自給自足を目指すのは危険である。

田舎での自給自足生活は想像以上に大変だ。

前述したように、田舎の人間関係は濃密であり、良い意味でも悪い意味でも団結力がある。

よって、外部から来た人間はなかなか受け入れられない。

田舎に住むためには、住人達との関係性を自分で一から築き上げなければならないのだ。

よって、コミュニケーション能力は必要不可欠である。

都会の組織で働く事もままならない社会不適合者にとって、それはかなり難易度の高い所業だ。

もっとも、誰とも接することなく仙人のような暮らしをする、というのなら話は別だが……。

しかし、本当の田舎にはコンビニすらない。

そんな環境の中で、「生きる術」を持っていない社会不適合者が、まともに暮らしていけるとは到底思えない。

やはり、田舎で自給自足生活をしたいと思うなら、まずは都会で自立することを目指すべきだ。

それができて初めて田舎に暮らす資格が得られると思った方がいい。

自給自足生活は、それからでも決して遅くはないのだから。

自分を肯定するために

環境というのは思った以上に自分の心理に影響している。

自分が「周りと違う」と疎外感を感じるのは、単に今の環境があなたに適していないだけかもしれない。

特に、田舎暮らしの人はその影響が顕著に表れる。

ただでさえ人と違うことに敏感な田舎では、社会不適合者は余計に自信を失うだけである。

【自分に自信がない人が確実に「自信」をつける方法】でも話したように、自信を失うことは人生において大きな損失だ。

本当はあなたには魅力があるにも関わらず、環境のせいで「自分には価値がない」と思い込んでしまう。

私が、社会不適合者の人達に都会で暮らすことを強く勧めるのも、そうなって欲しくないからである。

都会に行けば、あなたと同じような人間はたくさんいる。

そういった環境に行けば、疎外感を感じることなく、自然と今の自分を受け入れることができるようになる。

社会不適合者に一番必要なことは、なによりも自分を肯定する気持ちである。

そのきっかけ作りのためにも、社会不適合者の人には是非とも都会に移住することを目指してもらいたい。

すぐには無理かもしれないが、その目標を持っているだけでも生きる活力に繋がるはずだから。

あなたに一日でも早く自分自身を肯定できる日がくることを、私は願っている。

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