嫌いな人との接し方のコツ

人は、誰しも一人は嫌いな人がいる。

どんなに人間関係が上手い人でも、自分とは合わない人間は必ず存在する。

その人の顔を見るだけで憂うつになり、心が嫌悪感で支配される。

なんとか自分を騙して接しようとしても、どうしても拒否反応を示してしまう。

本来ならば、そういう人とは一切関わり合いをなくすのが理想だが、職場や学校、共通の友人などで、どうしても関わらなければいけないこともあるだろう。

そこで今回は、「嫌いな人との接し方」のコツを伝授する。

嫌いな人との接し方に悩む人や、自分の気持ちに折り合いをつけられない人は是非一読してほしい。

きっと、あなたの悩みを解消するヒントになるはずだから。

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嫌いという感情は本能

嫌いな人との接し方で悩む人には、まず初めに知ってもらいたいことがある。

それは、相手もあなたのことを嫌っている可能性が高い、ということだ。

嫌い、とまではいかなくても、ほぼ間違いなくあなたとの関係に違和感を感じている。

「相手は自分を写す鏡」という言葉があるように、あなたの嫌いな人もまた、あなたと同じような心理なのである。

実は、これにはれっきとした理由がある。

人が相手を好きか嫌いかと判断するのは理性ではないからだ。

それはまさに、私達に宿った本能が判断しているのである。

人は瞬時に、相手の本質を察知する。

まだ相手のことを何も知らない状態でも、「この人とは合わない」ということを直感的に感じ取るのだ。

そういう相手には、必ず「自分が嫌いな部分」があったり、「自分には理解できない思考」を持っていたりする。

だからこそ、その相手に脅威を感じるのだ。

つまり、あなたが「嫌い」だと思う人は、あなたとは異質な人間であることを本能が教えてくれているのである。

いうなれば、あなたを守るための防衛本能だ。

もちろん、「話してみたら思ったより良い人だった」ということも中にはあるが、大抵の場合は本能の判断が正しい。

あなたが今まで「嫌い」だと感じた人達のデータは、ちゃんと本能にも記憶されているのだから。

このことからもわかる通り、相手を「嫌い」だと思うことは、自分ではコントロールできないのである。

しかし、多くの人はこの事実を知らないがために、必要以上に嫌いな人へ抵抗を示している場合が多い。

相手を「嫌い」だと感じることは、私達に宿った「本能」であり、決して抗うことはできない。

まずはそのことを理解し、相手も同じ心理であることを忘れないでもらいたい。

相手は変えられない

次に、嫌いな人と接する上で最も重要なことを伝えたい。

これを知っていると知らないとでは、あなたが嫌いな人と接する上での労力に大きな差がでるだろう。

それは、相手を変えることはできない、という認識を持つことだ。

厳密にいえば「相手を自分の枠組みに当てはめて考えてはいけない」ということ。

嫌いな人に対してイライラが募る根本的な原因は、相手が自分の常識外の行動をするからである。

例えば、あなたは綺麗好きな人間で、職場の机などは整理されていることが正しい在り方だと考えているとしよう。

ところが、あなたの嫌いな人はいつも机をゴチャゴチャにしており、書類なども出しぱなっしにしているズボラな人間だ。

にも関わらず、周りはそのことを何も注意しないし、それどころか上司の評価も高い。

こういう時、あなたのイライラは最高潮に達するだろう。

ただでさえ嫌いな人間にも関わらず、自分が「許せない」行動をしており、それでも自分より上司の評価が高いのだ。

「自分よりもズボラな人間が評価されるのはおかしい」

きっと、内心ではこのように思うはずだ。

そうして嫌いな人に対してさらに嫌悪感を募らせていく。

よくあるパターンだ。

しかし、この考えにはあなたに決定的な落ち度がある。

それは、あなたが常識だと思っていることは、「全ての人に適用されるわけではない」ということを理解していないことだ。

今回の例でいえば、「机を綺麗にする」という行動は、あなたの嫌いな人にとっては全く関心の低いことなのである。

正確に言えば、問題外の行動なのだ。

「職場の机は綺麗にしなければならない」という考えは、アクマであなたの中の常識であり、嫌いな人からすれば「何故そうしなければいけないのか」といった具合だ。

もちろん、「机を綺麗にする」という考え事態が悪いわけではない。

問題なのは、そのルールを相手が守らないことに腹を立てていることである。

それは裏を返せば「相手の行動を変えることができる」と思っていることになる。

だが、前述したようにそれは不可能だ。

嫌いな人の行動を変えることは、決してできないのである。

つまり、あなたが嫌いな人に対してイライラする原因は、自分の常識を相手に当てはめようとするからだ。

あなたが「こうあるべき」というルールを多く持っていればいるほど、それだけ嫌いな人に対してイライラする機会も多くなるだろう。

逆に、最初から「相手を変えることはできない」という認識を持っていれば、イライラを最小限に抑えることができる。

嫌いな人と接する時には、特にこのことを心に留めておかなければならない。

そうすれば、たとえ嫌いな人が不可解な行動を取ったとしても、あなたは無駄なストレスを感じずにやり過ごせるだろう。

受け身にならない重要性

前項では、嫌いな人の行動を変えることはできない、ということを話した。

嫌いな人はどう足掻いても嫌いな人のままであり、自分とは相反する存在なのである。

それならば、嫌いな人にはそれなりの接し方をすれば良い。

そこで、この項目では、嫌いな人との接し方のコツを具体的に説明したい。

まず、嫌いな人と接する上で何より大切なのが、受け身にならないことだ。

前述したように、嫌いな人と仲を深めることはほぼ不可能である。

それでも、きっと大人のあなたなら、必死で嫌いな人と心の距離を縮めようと努力するはずだ。

だが、残念ながら、その想いが相手に伝わることは決してない。

それどころか、あなたの想いとは裏腹に、あなたの嫌いな人は平気であなたの心を傷つける行動を繰り返すだろう。

そうして、徐々にあなたの心は病んでいき、最後には不甲斐ない自分に自己嫌悪する。

あなたが「大人な人」であればある程、こうなる可能性は高くなる。

本来なら、嫌いな人とも「仲良くしよう」と試みたあなたの行動は褒められるべきことだ。

しかし、嫌いな人と接するにおいては、残念ながら逆効果である。

なぜなら、「仲良くしよう」と思っている時点で、すでにあなたは受け身になっているからだ。

再度言うが、あなたの嫌いな人はあなたの想いを汲み取ることは決してない。

仮にこちらの思惑を汲み取ったとしても、相手はあなたと仲良くしようとは思わないのだ。

つまり、この時点で、すでにあなたと相手との関係は対等ではなくなっているのである。

あなたが必死に仲良くなろうと頑張っても、相手は「どうでもいい」と思っている。

これでは、あなただけが一方的に心を擦り減らすだけだ。

そうではなく、嫌いな人と接する時は、こちらも相手と同等の立場にならなければならない。

それはつまり、こちらも相手を「どうでもいい」と思うことだ。

結局のところ、「仲良くしなければならない」という考えは、自分が相手に「嫌な人だと思われたくない」という裏返しなのである。

あなたにはその自覚がなくても、心は無意識に受け身の体勢を取っているのだ。

では、どのようにしたらその受け身の状態を解くことができるのか。

その具体的な方法は「笑わない」ことだ。

人間関係において、相手に笑顔を見せることは良好な関係を築くために必要不可欠な行動である。

しかし、こと嫌いな人と接する時には、それは全く無意味な行動だ。

人間は、自分の意識と行動が伴っていない時に、物凄くストレスを感じる仕組みになっている。

あなたが嫌いな人間に愛想笑いを浮かべることは、あなたの心に想像以上のダメージを与えているのだ。

ただ、それで相手が心を開いてくれるのなら、まだ意味はあるだろう。

しかし、何度も言うが、嫌いな人と良好な関係を築くのは無理なのである。

そうであるならば、決して受け身になってはいけない。

嫌いな人と接する時のコツは、ハナから良好な関係を築くことを諦めることである。

そうすれば、自然にあなたと嫌いな人が平穏に過ごせる適度な距離感を見つけることができるはずだ。

相手を嫌いだと認める大切さ

以上が嫌いな人との接し方のコツである。

端的に言えば「嫌いな人と仲良くする」という考えを基本的に捨てればいいだけの話だ。

「嫌いな人でも仲良くしなければいけない」という信念を持っている人には、この方法はひどく受け入れ難いことかもしれない。

しかし、そうしなければ、あなたは永遠に嫌いな人との接し方で悩むことになるだろう。

もちろん、表立って喧嘩腰に構える必要はない。

表面上は平静を装っておけばいい。

だが、心だけは絶対に受け身にならないでもらいたい。

受け身にならないだけでも、嫌いな人と接する時の負担は格段に減るのだから。

もし、それでも嫌いな人に対して罪悪感を抱くようなことがあれば、自分が相手を嫌いになった理由をもう一度考えてほしい。

あなたが嫌いな人には、嫌いになるだけの理由がちゃんとあるはずだ。

何もないのに嫌いになるほど、あなたは「子供」ではないだろう。

きっと、すでにあなたは十分に嫌いな人と仲良くしようと試みたはずだ。

にも関わらず、心を開かないのなら、それは相手が悪い。

これ以上、あなたが一方的に頑張る必要はどこにもない。

あなたはもう楽になってもいい。

嫌いな人を堂々と嫌い」だと認めていいのだ。

そんな人に労力を注ぐより、自分の「好きな人」に焦点を当てて生きる方が、人生はよっぽど大切なのだから。

そのことを見誤らないように、これからは自分の周りの人間関係を見直してもらいたい。

あなたが一日でも早く嫌いな人と接する悩みから解放されることを、私は願っている。

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