毒親。
あなたはこの言葉をご存知だろうか。
毒親とは名前の通り、親でありながら子供にとっては毒になる存在のことである。
この毒親の元に生まれたことで、どれだけ人生に枷をかけられることになるか……。
彼等の苦しみは、普通の親元に生まれた者には想像すらできないだろう。
毒親に生まれた彼等の苦痛、そして、毒親の呪縛から解放されるためには何が必要なのか。
今回のテーマは、そんな悲しくも辛い内容だ。
だが、もしあなたが少しでも毒親による被害を受けた心当たりがあるのなら、是非一度は目を通してほしい。
きっと、今後のあなたの人生を救う手助けになるはずだから。
※文中の「ぎゃくたい」という文字は多用すると検索システムから誤解を招く恐れがあるため、伏字にしておりますのでご了承下さい。
毒親の呪縛
まず初めに問いたい。
あなたの親は毒親だろうか。
この質問に「はい」とすぐに頷ける人はなかなかいないだろう。
何故なら、日本では毒親の定義がハッキリと認知されていないからだ。
正確には、どんな人物のことを毒親というのか知らない、という人が多いのが現状だ。
恐らく、大半の人が連想する毒親とは、虐○する親のことだと思われる。
そのため、今まで親から一度も手をあげられたことがない人は、自分の親は毒親ではない、と考えるはずだ。
もちろん、幼き子供を虐○するような親は問答無用で毒親である。
だが、虐○とは、肉体的な部分だけではない。
精神的な虐○も同じくらい罪は重いのだ。
あなたも、親から言われて傷ついた言葉を今でも覚えている、といったことはないだろうか。
もし心当たりがあるのなら、あなたの親は毒親である可能性が高い。
その傷は、決して自然に癒えることはない。
そして、その傷が大人になった後にまで影響を及ぼしていることに、本人ですら気づいていない場合が多い。
幼少の頃に傷つけられた心とは、それほどまでにあなたの人生に影響している。
そのことで起こる最大の弊害……。
それは、自分に自信を持てなくなることだ。
【自分に自信がない人が確実に「自信」をつける方法】でも話したが、自信を持つためには本来の自分を認めることが必要になる。
だが、毒親に育てられた人は、自信を持つことを無意識に抵抗してしまうようになってしまう。
これは、本来なら受け取るはずだった無償の愛をもらえなかったのだから当然だ。
もし、あなたが今の自分に自信が持てないとしても、それを自分の不甲斐なさだとは思わないでほしい。
その原因は、あなたにつきまとう毒親の呪縛のせいなのだから。
毒親の連鎖
そもそも、なぜ毒親というものが存在するのだろうか。
本来、親にとって子供は無条件に可愛く感じるものであり、無償の愛を提供するべき存在だ。
にも関わらず、子供を純粋に愛することができなくなってしまった理由。
それには毒親の過去が深く関わっている。
実は、毒親とは連鎖するものなのだ。
あなたの親が毒親なら、その親もまた毒親である可能性が高い。
私の父は、まさにこの事例に当てはまる。
父は、幼少の頃に実の母親を亡くした。
その後、すぐに祖父が再婚し、義理の母親ができるが、この母親は相当しつけに厳しかったらしく、大変辛い思いをしたようだ。
さらに不幸なことに、この義理の母親も亡くなり、父は二度母親を亡くすという悲しい思いをしている。
当時の父の心境を想像すると、さぞ辛かっただろうと思う……。
だが、これこそが私の父が毒親になった要因だ。
察しのいい方なら気づいたかもしれないが、問題はなぜ、この話を私が知っているのかということ。
それは、父から直接聞かされたからだ。
「お前は恵まれている。俺は小さい頃に母親を亡くした。お前はそれに比べてどれだけ恵まれてるのかわかってるのか」
父は幼い私に何度も何度もそのことを説いてきた。
それこそ耳にタコができるのではないかと思う程に……。
これこそ、まさに毒親の闇だ。
毒親が子供を純粋に愛せない理由……。
それは嫉妬心なのだ。
自分の子供の存在が、幼少期の自分の記憶を呼び起こし、不遇だった自分の幼少期と比較して嫉妬心を感じてしまう。
もちろん、本人は無意識に感じていることなので、全く自覚がないだろうが……。
しかし、私の事例からもわかるように、毒親とは自分の子供を愛することに過敏反応を起こす。
これが正常な親の場合なら、自分が不遇な幼少期を過ごしたことを教訓にして、子供には同じ思いをさせないでやろう、と思うはずだ。
だが、毒親の場合は、自分が満たされなかった愛情を自分の子供にも引き継がせようとする。
中にはそれをしつけと称し、都合の良い解釈をする輩もいる。
だが、彼等の言動が子供の心に響くことは決してない。
何故なら、その本質は愛ではなく嫉妬からくる憎悪だからだ。
毒親であることを認める
毒親の呪縛から逃れる方法を解説する前に、まずはあなたに確認してもらいたいことがある。
それは、自分の親を毒親だと認めることができるかどうかだ。
前述したように、私の父も毒親だ。
だが、このことを認めるまでにはかなりの時間を費やした。
どんな親でも、自分の親が毒親であるということを素直に認めるには、多大な労力を要する。
特に、幼少時代に「親は敬うべき」という道徳観念が染み付いている者は、余計に抵抗があるはずだ。
試しに「私の親は毒親だ」と口に出して言ってもらいたい。
スムーズに口に出せるなら、あなたが毒親の呪縛から逃れる日も近い。
だが、もし口に出すのも躊躇うようならば……あなたは重度の呪縛を受けている。
それを認めたくない気持ちは痛いほどわかる。
しかし、それを受け入れない限り、あなたが毒親の呪縛から逃れることは決してできない。
まずは、そのことを心に留めてもらいたい。
毒親の呪縛を解放する方法
初めに、あなたには伝えておかなければならないことがある。
この方法はひどく辛いものだ。
間違いなくあなたの精神は疲労することになるし、下手をすれば、心にさらに傷を負ってしまうかもしれない。
だが断言する。
この方法を達成したあかつきには、あなたは間違いなく毒親の呪縛から解放されることを。
では単刀直入に言おう。
その方法とは、毒親と対決することだ。
対決とは言葉の通り、毒親に反抗することを意味する。
自分が今まで受けて嫌だったこと、言われて傷ついたこと、それらの思いのたけを面と向かって口に出すのだ。
もちろん、毒親はあなたの言葉を必死に否定するだろう。
表情は一気に険しくなり、問答無用で言論封殺してくるはずだ。
「親に向かってその言葉はなんだ」「誰のおかげで生きてこれたと思ってるんだ」「親不孝者」
だが、これらの言葉にあなたが返答する必要はない。
怯むことなく、ただ淡々と毒親に向かって自分が傷つけられた事実を口に出すのだ。
これはアクマであなたが毒親の呪縛から逃れるための儀式。
決して毒親と言い争いをすることが目的ではない。
そうすることで、あなたの内側に根付いた毒親の膿が徐々に消え失せていく。
この方法は、著書「毒になる親 一生苦しむ子供 」にも書かれているものであり、その有効性は折り紙つきだ。
私自身、この方法を実行したことによって、父への執着心は間違いなく薄らいだ。
もちろん、これをしたからといって父を完全に許したわけでもないし、父が嫌いなことには変わりない。
だが、それは一人の人間として嫌いなだけで、自分の親として執着しているわけではないのだ。
この客観的視点を手に入れられたことこそが、毒親の呪縛から解放された証拠だ。
注意して欲しいのは、この方法を実行する時には、決して途中で止めないこと。
途中で止めてしまっては、あなたの勇気は間違いなく無駄になってしまう。
今まで毒親から受けた全ての事柄を、一気に言い放つことが重要だ。
「私はあなたに~をされてひどく傷ついた」
感情的にならなくていい、ただ淡々と事実を述べればいいのだ。
そしてもう一つ。
この方法を実行した後には、あなたと毒親の関係性は間違いなく変わってしまう、ということも頭に入れておかなくてはならない。
最悪の場合は、親子の縁を切ることになるかもしれない。
実際、私の例でいえば、父とは同じ家に住みながらも、一年間に一度も口を聞かない関係になった。
端から見れば異様に思える光景かもしれないが、私には全く後悔はない。
生涯に渡り、毒親の呪縛を背負って生きるよりも百倍マシだと胸を張って言える。
あなたの人生も、毒親のためにあるわけではないはずだ。
自分の人生を歩むためには、一日でも早く毒親の呪縛を解放する必要がある。
毒親の呪縛から解かれたあなたには、想像もできない程の輝かしい未来が待っているはずだから。
あなたが一日でも早く毒親の呪縛から逃れる日がくることを、私は切に願っている。
最後に、一つだけお願いがある。
将来、あなたに子供ができた時には、あなたの子供には決して同じ苦悩を味合わせないであげてほしい。
それは、あなた自身が毒親にならないことを意味する。
悲しい毒親の連鎖は、あなたの代で断ち切るのだ。
毒親の呪縛から解放されたあなたなら、きっと良い親になれるはずだから……。