2016年も残るところわずかとなり、世間はすっかり年末モードだ。
そんな中、ネットで気持ちが暗くなる記事を読んでしまった……。
年明けになる前に、この気持ちに整理をつけたかったので、今のうちにこの話題を取りあげておく。
【内閣府が高齢者の定義を「65歳→70歳」に引き上げを提案】
参照元は個人サイトではあるが、記事内にソースは日経新聞と書かれているので、内容事態は本当のことのようだ。
年金に募る不信感
リンク先の記事によれば、将来、年金支給は75歳からになる可能性が高い、ということだ。
年金支給が75歳から……。
正直な感想として、こんな歳にならなければもらえない制度に意味はあるのかと疑問を感じてしまう。
75歳といえば、男性の平均寿命とほとんど変わらない歳だ。
ヘタをすれば、年金をもらわずに命を全うする人もいるだろう。
そもそも、高齢者の定義を引き上げるということにも違和感を感じる。
たしかに、日本人の平均寿命は戦前に比べて格段に上がった。
しかし、だからといって身体能力まで上がったかといえば、そんなことは決してないはずだ。
もちろん、中には65歳になってもアスリート選手並に活動できる人もいるだろう。
だが、そんな人はごく一部でしかない。
そのごく一部の人を基準にして、年金の定義を変えるのはあまりにも暴論だ。
制度の定義は大多数の人間に向けてこそ意味があるのだから。
現役世代と年金世代の受給額の差
年齢の定義を変えることで起こる不平は他にもある。
それは年金の受給額と払い額の差だ。
知らない人もいるかもしれないが、年金の導入初期では、支払い額はわずか100円だったのだ。
その後、徐々に支払い額は引き上げられ、今では約1万6千円(2016年現在)となっている。
この影響で、年金受給世代と現役世代とでは、もらえる総額に大きな差が生じているのが現状だ。
特に、20代・30代ではその差は歴然である。
いくら時代の紙幣価値が違うとはいえ、この価格の差は異常だ。
こうなっている時点で、もはや年金制度はうまく機能しているとは言い難い。
にも関わらず、さらにこの差を開かせようとするのは、政府が年金制度自体を否定しているのと同義だ。
私のような立場の人間にとっては、毎月の年金支払い額だけでも大きな負担となっている。
そんな層にとっては、今回の支給年齢の引き上げは、さらに支払い意欲を失わせることになるかもしれない。
もし、本当に年金支給年齢を引き上げるのなら、年金は任意加入にしてもらいたい。
これならば、まだ納得はできるというものだ。
果たして……我々は本当に年金を受給することができるのだろうか……。
年金への不信は募るばかりである……。