ニートは何故叩かれるのか

ニートは何故叩かれるのだろう。

「そんなのは働いてないんだから当たり前だろ!」

と、思わず怒声が聞こえてきそうだが、果たして、そのことを感情論抜きに説明できる人は、どれくらいいるのだろうか。

ここでは、そんな疑問を、私なりに考察していきたいと思う。

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ニートの定義

考察に入る前に、まずはニートの定義を確認しておきたい。

本来、ニートとは海外からきた言葉であり、その定義に当てはめると、「教育機関に所属せず、雇用されておらず、職業訓練校に参加していない者」となっている。

しかし、日本ではニート=怠け者の定義で使われている部分が多い気がする。

その証拠に、社内ニートや学生ニートなど、本来のニートの意味合いとは大分異なった造語が使われている。

そこで、今回のニートは、世界的なニートの定義ではなく、日本のイメージで用いられているニートのイメージについて語っていきたいと思う。

ニートは本来同情されるのもの

まず、最初に断っておきたい。

今回のテーマは、アクマで人の感情的な部分からの考察であり、憲法上の見解は含めていない。

よって、労働は義務だから叩かれるのは当然だ、という解釈は、枠組みから外しているので、そこだけは注意してもらいたい。

さて、ようやく本題に入るわけだが、そもそも私の考えでは、ニートは同情こそされるものの叩かれる要素はないと思っている。

何故なら、ニートとは収入を一切確保できていない身分だからだ。

お金がなければ、当然のことながら行動は制限される。

もちろん、ネットや読書、散歩など、極力金を使わずに楽しめる娯楽はいくらでもある。

だが、全ての人間が自ら選択して楽しんでいるわけではない。

お金を使わないために、あえてしているだけ、という人達もいるはずだ。

この状況は、収入を得ている層からすれば、えらく不憫に感じるはずである。

お金さえあれば、好きなものは買えるし、好きなものも食べられる。

その反面、ニートは一部の裕福層の家庭でない限り、当然ながら我慢を強いられる。

これだけの一面を見れば、ニートが叩かれる要素は何もない。

ニートが勝っているもの

しかし、ニートにも勝っている部分がある。

それは時間という制約だ。

お金を手に入れるために、ほとんどの人は会社に属しているのが一般的である。

そのため、当然のことだが、自分の時間を奪われる。

自分の意思に反してでも、お金のために労働という時間を強いられるのだ。

その点、ニートには時間の拘束がない。

自分の好きな時に起き、自分の好きなように一日を過ごすことができる。

まさに自由意思という点に関しては、間違いなくニートは最強だ。

実は、これこそがニートが叩かれる最も根本的な理由ではないかと考えている。

根本たるものは嫉妬

だるい、面倒臭い、朝起きたくない。

サラリーマンを経験した者ならば、誰もが一度は思ったことがあるはずだ。

一週間の区切りがあるならまだしも、この現状が、定年までの数十年間続くと考えると、まるで永遠に続くかのように気分が滅入ってしまう。

そんな時、ふと隣のニートを見れば、このような苦痛に悩まずして、のうのうと生きている。

それを見た瞬間、ふつふつと煮えたぎるドス黒い感情。

それは憎悪にも似た嫉妬心である。

自分は生きるためにこんなにも苦痛を伴っているのに、ニートは一切そのようなことを受けていない。

許せない……。

そう、労働者にとっては、ニートのこの現状が許せないのである。

ただ、このような感情になるのも無理はない……。

何故なら、かくいう私自身もこの感情を体感しているからだ。

当時、私は世間でブラック企業と呼ばれる会社で働いていたのだが、その時は、ニートの友人を酷く憎悪していた。

自分がブラック企業で毎日辛い労働をしている中、友人はニートで毎日楽しそうだな……。

もちろん、心の中では、ニートにはニートの悩みがあることはわかっていたし、自分がブラック企業で働いていることと、友人がニートであることは関係のないことだ。

そう頭ではわかっているのだが、どうしても嫉妬心を捨てきれなかった。

人間の感情というのは、なかなかに割り切れないものである……。

原因はワークライフバランス

以上のように、ニートが叩かれる根本的な原因として、世の中に、ワークライフバランスが整った生活を送っている人が少ないことが挙げられる。

もし、あなたが今すぐ自分の望み通りの環境で働けるとすれば、果たして、ニートに憎悪を感じるだろうか。

いや、ほぼ間違いなく、そうはならないはずである。

現に、私は旅行で欧州を三カ国程訪れたことがあるが、いずれの国でも、ニート(無職)を叩いている人を見たことがない。

あちらの仕事環境では、ワークライフバランスは労働者の権利として捉えられているため、日本で話題になっているブラック企業と呼ばれる物自体が存在しないことも要因だと思われる。

もし、あなたがニートに憎悪を感じたら、まずは自分の心に問いかけて欲しい。

その憎悪の原因はどこからきているのかを……。

自分の気持ちを整理すれば、きっと今の現状に満足していない自分が浮かび上がってくるはずだ。

それこそが、自分の本当の気持ちを知るきっかけとなるはずだ。

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