自分に恋人(彼氏・彼女)がいないことを嘆く人は多い。
恋人がいればどんなに幸せなんだろう……。
彼等の頭には、常にこのフレーズが渦巻いている。
たしかに恋人の存在は、人生を豊かにする要因の一つだろう。
しかし、本当に恋人がいれば、それだけで人生は幸せになるのだろうか。
いや、私は決してそうは思わない。
今回は、恋人(彼氏・彼女)がいれば幸せになれると思い込んでいる人へ、それが幻想だということを伝えたい。
恋人がいれば幸せになれるという幻想
私は、恋人がいれば幸せになれると思い込んでいる人は、恋愛に対する比重が大きすぎる気がするのだ。
幸せの定義が恋愛一色に染まってしまい、それ以外のことにはまるで関心を示さない。
言い方は悪いが、恋愛脳なのである。
恋愛とは、決して楽しいことばかりではない。
ちょっとしたことで相手とすれ違い、時には喧嘩したり、浮気されて裏切られたりすることもある。
恋人さえいれば常に幸せでいられるかと言われれば、決してそんなことはない。
恋人がいることで逆に辛い思いをすることもあるのだ。
もちろん、恋人がいることで得られる幸せもある。
やはり、好きな人と一緒にいられることは、それだけで心が満たされるものだ。
ただし、私がここで知ってもらいたいことは、恋愛を人生の中心にしている人は、決してその幸せを得られないということだ。
なぜなら、恋愛に自分の人生を左右されてしまっているからである。
よく考えて欲しい。
恋人がいることが人生の幸せだというのなら、自分の幸せは全て相手に委ねられているということ。
それはつまり、相手に執着するということだ。
過度な執着心は、やがて必ず依存に変わる。
依存に発展してしまえば、もう自分で抗うことはできない。
頭の中は恋人(彼氏・彼女)のことで埋め尽くされ、常に相手の言動を気にするようになる。
相手との関係がうまくいってる時はいいだろう。
だが、前述したように恋愛とは常に楽しいことばかりではない。
付き合っていくうちに、相手の気持ちが冷めてしまうこともあるのだ。
こういう時、恋人に依存している人間は恐怖に苛まされることになる。
もしも相手と別れるようなことになれば、自分の幸せを失うことになるからだ。
それを阻止するために、恋人に依存している人は相手のご機嫌を取ろうと必死になるが、その行動は相手からすればただの重荷であり、結果的にますます気持ちが離れていくことになる。
恋愛とは、片方の想いが強すぎれば必ず破綻が起きるものだ。
この現象は逆にうまくいってる時にも起こりえる。
相手がこちらに強い愛情を持っていたとしても、恋人に依存している人間はそれを信じることができないのだ。
少しでも相手が他の異性と話していたり、友達と遊びに行ったりすれば、それだけで心が動揺する。
浮気をしているのではないか、と瞬間的に相手を疑ってしまうのである。
そうしたことを繰り返してくうちに、次第に心は疲れ、相手の存在自体にイライラするようになる。
最後は自分自身を責めるようになり、やがて自己嫌悪に陥る。
恋人に依存している人によくある事例だ。
こんな状態が果たして本当に幸せだと言えるのだろうか……。
いや、そんなことはないはずだ。
自分の神経を擦り減らし、恋人に合わせて生きるだけの人生が幸せなわけがない。
少なくとも、健全な幸せではないことは確かだろう。
恋愛で幸せになるために必要なこと
結局のところ、恋人がいれば幸せだと思い込んでいる人は、心に余裕がないのだ。
幸せの定義を恋愛だけに狭めてしまっているために、それを得られない(失う)ことを極度に恐れ、心が焦燥しているのだ。
これでは人生を楽しむどころか、枷を背負っているのと同じことである。
ここで一つ、恋人がいれば幸せになれると思い込んでいる人に、知ってもらいたい事実がある。
それは、恋愛は人生を幸せにするためのオプションの一つに過ぎない、ということ。
恋愛以外にも人生を幸せにする要因はいくらでもある。
逆に言えば、それを見つけなければ恋愛で幸せにはなれないのだ。
これもよく勘違いされていることだが、恋人がいて幸せそうに見える人は、恋人(彼氏・彼女)がいるから幸せなのではない。
他に自分の幸せ(軸)を持っているから幸せな恋愛ができるのだ。
発想が逆なのである。
恋愛以外で自分の幸せをちゃんと持っている人には、得てして何もしなくても魅力的な人が集まってくるものだ。
逆に心に余裕がなかったり、誰かに依存しなければ生きていけない人は、相手の方が一緒にいたいとは思わない。
そういう人は仮に恋人ができたしても、結果的には恋愛で苦しむことになる。
自分は何も与えず、相手に求めるだけの恋愛は絶対に長続きしないのだから。
もし、あなたが恋人ができない、またはいつも恋愛がうまくいかない、と悩んでいるのなら、まずは自分一人で幸せを掴むことだ。
誰かに与えられる幸せではなく、自分自身で掴んだ幸せ。
それこそが本当の幸せである。
それを手にすれば、おのずとあなたのふさわしい相手は現れる。
間違っても、誰でもいいから付き合いたい、などとは思ってはいけない。
当たり前のことだが、良い恋愛をするためには相手が誰でもいいわけではないのだ。
焦って適当な人と付き合っても、心は満たされず、余計に虚無感を感じるだけである。
恋人がいれば幸せになれると思い込んでる人は、そうした失敗を繰り返すケースが非常に多い。
本物の恋愛とは、お互いがお互いを高められる関係のこと。
恋人がいれば幸せになれると思い込んでいる人は、もう一度そのことをしっかりと心に留めてほしい。
そうすれば、自分の幸せの形が何なのかが見えてくるだろう。
どうか、恋人がいれば幸せになれるという幻想にとらわれず、まずはじっくりと自分の幸せを探してほしい。
恋愛はそれを見つけた後でも遅くはないのだから。
いつの日か、あなたが自分自身で本当の幸せを手に入れ、良い恋愛ができることを私は願っている。