2017年に開催された第9回AKB総選挙では、世間を賑わす前代未聞の出来事が起こった。
なんと、20位に選ばれたNMB48「須藤凜々花」(通称りりぽん)が結婚宣言をしたのだ。
お立ち台に上り、司会者の徳光和夫から順位についての感想を求められると、事態は予期せぬ方向に向かい出す。
目を潤ませた須藤凜々花の口から、唐突に「私、結婚します」と発言されたのだ。
それまでの和やかな雰囲気から一変して、会場は一気にどよめき、その場の誰もが唖然とした。
それはTVを見ていた視聴者も同じだったことだろう。
今回のAKB総選挙では、当初開催が予定されていた沖縄が大雨で中止になったため、異例の観客なしで行われた。
そのため、その場は特にお咎めはなかったが、ネット上ではファン達の怒りの声や悲痛な叫びで埋め尽くされた。
中には、脅迫スレスレの過激な発言をする者も出てくる始末だ。
AKBグループでは恋愛は禁止とされているため、この結果は当然と言えるだろう。
アイドルの恋愛の是非については、すでに【アイドルの恋愛禁止はなぜ必要なのか・続】で記述しているので、ここでは割愛する。
今回は、須藤凛々花がなぜこのような発言をしたのか、彼女の心境に焦点を当てたい。
理由1、恋の暴走
私は、須藤凜々花があのような奇抜な行動を取った理由として、二つのパターンを考えている。
一つは須藤凜々花本人による問題。
もう一つは運営の戦略的な理由だ。
では、それぞれ順番に説明していく。
一つ目の須藤凜々花本人による問題とは、言葉の通り、須藤凜々花の独断による自爆行為という意味だ。
【恋愛依存(片思い)の恐怖と克服方法】で話した通り、恋は人をおかしくさせる。
普通の状態ではありえないことでも、恋の魔力に掛かっている状態では平気で行えてしまうのだ。
今回の件はまさにそのことが当てはまる。
須藤凜々花のインタビューを聞く限り、恋人には相当な溺愛ぶりが垣間見えた。
全国放送で結婚宣言するくらいなのだから当然かもしれないが、その溺愛ぶりはまさに「メロメロ」といった様子だ。
恐らく、今の彼女には恋人のことしか頭にないはず。
そのため、自分の立場や発言が周囲にどれだけの影響を与えるのかを全く考えられない。
それほどまでに恋に支配されている。
だからこそ、ファンを切り捨てることにも何の躊躇もない。
全ての行動基準は、たった一人の「愛する者」のためだけに行われているのだから。
このような思考状態では、ファンですら自分の恋を邪魔する外敵にしか思えないものだ。
ファンからすれば「裏切り」とも取れる行為だが、須藤凛々花本人にとっては自分の気持ちを晒すことで「自分は彼のもの」ということを強くアピールしたに過ぎないのだろう。
もちろん、多少はファンを騙したことに罪悪感もあったのかもしれない。
しかし、根本的には恋に支配されてるがゆえの暴走といえるだろう。
これが須藤凜々花が奇抜な行動を取った理由としての一つ目の可能性である。
理由2、運営の戦略
もう一つの理由は運営からの差し金という線だ。
実は須藤凜々花の恋人発覚の件は、事前に「週刊文春」で報じられていたのだ。
すでに二人のデート現場も撮られており、お泊りの現場も目撃されている。
つまり、須藤凜々花があの場で公表しなくても、いずれは恋人がいることはバレていたということだ。
ならばいっそのこと、これを売名行為として活用しようというわけである。
たしかにアイドルとしての須藤凜々花の価値は下がるが、全国的に名前が知れ渡るのは間違いない。
今後、もし彼女が女優やバラエティタレントに転身するとしたら、そのことは大いに役立てるだろう。
実際、私も今回の件で初めて須藤凜々花という名前を知った。
私と同じく、今回のことで彼女の名前を知った人は全国に大勢いるはずだ。
もし須藤凜々花の奇抜な行動が、本当に売名行為のためだったとするならば、その作戦は大成功と言っていいだろう。
以上の二つが私の推測する須藤凜々花の結婚宣言の理由である。
ただ個人的には、やはり最初の須藤凜々花本人による暴走の線が強い気がするのだ。
何故なら、いくら売名をするチャンスだとしても、あまりにもリスクが高すぎるからだ。
たしかに須藤凜々花の名前は世間に知れ渡るかもしれないが、恋愛発覚を認めてしまえば、他のAKBメンバーにも多大な悪影響を及ぼす。
それは後々のグループ活動に大きく響いてくる。
最悪の場合は、他のメンバーの人気を下げることになってしまう。
果たして、運営はそこまでして須藤凜々花に肩入れするだろうか。
私は、運営が20位レベルの子にそこまでするとはとても思えないのだ。
やり方によっては恋人の件をうやむやにしてスルーすることもできたはずなのだから。
とすれば、やはり最初の須藤凛々花の暴走の可能性が高い。
恐らく、運営側も想定外の事態に焦っているはずだ。
結婚宣言による二人の被害者
いずれにせよ、今回の件で一番被害を受けたのは「指原莉乃」と「渡辺麻友」の二人で間違いないだろう。
指原莉乃は人気投票三連連続1位という快挙を成し遂げ、渡辺麻友はAKB卒業を宣言した。
本来なら、どちらも翌日の新聞の一面を飾ってもいいほどのニュースだ。
しかし、残念ながら話題は全て須藤凜々花に持っていかれてしまった。
これほどまでに世間を賑わせた須藤凜々花が、今後どのような方針を取るのか非常に気になる。
彼女の動向に注目したい。
※追記
この記事を書いている途中に進展があった。
どうやら、須藤凜々花は所属しているNMB48を卒業するとのことだ。
さらにインタビューで須藤凜々花は「恋愛禁止ルールで我慢できる恋愛は恋愛ではない」と発言したとのこと。
いやはや……これにはさすがに空いた口が塞がらない。
彼女は今まで支えてくれたファンを一体何だと思っているのだろうか……。
この発言からするに、やはり私の推測は間違っていないようだ。
もはや完全に「恋」に支配されてしまっている。
数年後に目が覚めた時、きっと彼女は自分がした傲慢な行いを恥じる時がくるだろう。