先日、私はある曲を聞き、心を打たれるほどの強い衝撃を受けた。
その曲に出会ったのは、私がレンタルビデオ屋に行った時のことだ。
どのDVDを借りようか検討しながら、店内に流れている曲に何気なく耳を傾けていると、私の脳内に一瞬で「ビビッ」と電流が走った。
その曲に魅かれた理由は、メロティやテンポもさることながら、何よりもその歌詞だ。
近年では、私がこれほどまでに心を打たれた歌詞はないかもしれない。
曲のタイトルを一刻も早く知りたくなった私は、すぐさま店員に「今流れている曲は何か」と尋ねた。
すると、その曲は「欅坂46」の『不協和音』だということが判明した。
それを聞いて、私は驚いた。
「欅坂46」とは、現在人気大絶頂のアイドルグループであり、私も名前くらいは知っていた。
しかし、この歌は、どう考えてもアイドルの曲とは思えないほどの深さを持っていたからだ。
そこで今回は、私なりに、この歌が持っているメッセージ(意味)を考察したいと思う。
アイドルの曲ということで、どうしても偏見を持ってしまう人もいるかもしれないが、まずは色眼鏡を外して読んでもらいたい。
不協和音の歌詞に隠されたメッセージ
アイドルの曲といえば、一般的には「恋愛」をテーマにした曲が多い。
やはり、アイドルということで、「華やかなイメージ」を持たせたいというコンセプトがあるのかもしれない。
しかし、この『不協和音』には、そのような要素は一切ない。
むしろ、「華やかさ」とは真逆の「暗さ」まで伺えるほどだ。
私は、この曲から、日本社会に対する疑念と、これからの時代を生きるための道を示している、と感じ取った。
以下に私がそのように感じた歌詞の一部分を抜粋する。
・ここで同調しなきゃ裏切りものか
・嫌われたって僕には僕の正義がある
・反論することに何を怯えるんだ?
・大きなその力でねじ伏せられた怒りよ
・みんな揃って同じ意見だけではおかしいだろ
・意志を貫け!ここで主張を曲げたら生きてる価値ない
この歌詞が示すように、日本という国は同調圧力がとても強い国だ。
少しでも周りと違う考えや行動をすれば、たちまち奇異の目で見られる。
日本での普通の生き方といえば、高校・大学を卒業し、そして会社に就職して社会人となる。
これこそが「普通」であり、基本的にはそれ以外の生き方は異端扱いされる。
酷い時はその人の人格まで否定されてしまう。
私も、「普通」のレールから外れた生き方をしている人間なので、このことを何度も味わってきた。
昔に比べると、若い世代の間では大分和らいできたが、親世代には未だにこのような考えを持っている人が大勢いる。
しかし、それは【良い大学、良い会社に入ることへの幻想】でも話したように、今の時代には全く当てはまらないことだ。
逆に、それを妄信するがゆえに、絶望を強いられる可能性すらある。
これからの時代を生きていくうえで、何よりも大切なことは自分の信じた道を進むことなのだ。
だが、その道を進むことは容易ではない。
時には、周りから批判されることもあるだろう。
特に親という存在は、今の時代を肌で感じていないため、自分の子供には「普通」の生き方を強要する。
多くの子供は、内心では他にやりたいことがあっても、親に逆らうことを避けるために、それを受け入れてしまうだろう。
しかし、そこで妥協してしまっては、自分が本当に望むものは手に入らない。
私にも叶えたい夢がある。
その夢は、前述した「普通」のレールとはかけ離れたものだ。
時々、私も世間の声に流され「本当に自分の行動は正しいのか」と迷う時がある。
しかし、今回この『不協和音』を聞き、「普通」から抗うことへの勇気をもらえた。
自分の意思を貫く大切さ
この歌にもあるように、人はそれぞれ自分なりの価値観がある。
皆がそれぞれ違う考えを持っていてもいいのだ。
日本のように「皆が同じ意見を持っていることが当然」という考え方は、世界的に見れば特殊なのだから。
もし、あなたにも叶えたい夢があるのなら、どうか世間の同調圧力に屈しないでほしい。
夢を叶えるためには、たとえ周りから否定されても、自分の意志を貫くことが大事だ。
そのことをわからせてくれた『不協和音』は本当に素晴らしい曲だと思う。
オリコン1位になった理由も、単純に欅坂46のファンが多いというだけではなく、私と同じように、この歌のメッセージに共感した人が多かったのではないだろうか。
私は、普段はCDを買わないのだが、日本でも早く『不協和音』で語られていることが「普通」となるように、と願い込め、普及活動のために1枚購入することにした。