清水良太郎の逮捕から学んだ教訓

2017年10月11日、モノマネ芸人の清水アキラの三男である「清水良太郎」が逮捕された。

逮捕の詳細については、今回の本題とは異なるため割愛する。

この逮捕で実質上、清水良太郎の芸能活動は幕を閉じたと言えるだろう。

一度ならず二度までも世間を騒がせ、周囲に多大な迷惑を掛けた罪は重い。

記者会見で涙ながらに謝罪する清水アキラを見ると、息子に裏切られ、それでも親として責任を取らなければならないことに同情してしまう。

ただ今回の件は、私にあることを再び確信させることになった。

それは「挫折を知らない人間の恐怖」である。

そのことを忘れないためにも、今回の清水良太郎の逮捕から学んだ教訓を、記事として残すことにする。

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美川憲一との対談

実は、今回の件が起こる数日前、清水良太郎はテレビで美川憲一」に説教されていたのだ。

それは2017年9月29日に放送された『今夜解禁!ザ・因縁』でのことだ。

清水良太郎は今年2月にも騒動を起こし、4ヶ月間の謹慎処分を受けていた。

その時は逮捕こそされなかったが、警察沙汰になったことで世間を騒がせた。

すぐに記者会見をしなかったことや、ふてぶてしくインタビューを受ける姿に、「反省の色が全くない」と感じた美川憲一が叱咤したのである。

しかし、清水良太郎は番組内でこう反論している。

捕まってもないのに何でこんなに騒がれるかな。

一番納得できないのが今回の騒動で、違う2世まで「2世は甘い」「2世はこう」って言われること。

それは関係ないでしょ、親父と自分は違うし。

この言葉からもわかるように、清水良太郎はまるで反省している様子がなかった。

これに対し、美川憲一は「自信過剰なのよ、アンタは。大勘違いよ。」と一喝。

さらには、「変わらなかったら、この芸能界から消えるわよ」と今回のことをまるで予言していたかのような口振りだった。

美川憲一がここまで力説するにも理由がある。

実は、美川憲一自身も、過去に今回の清水良太郎と同じ過ちをしていたのだ。

番組ではその当時のVTRが流れていたが、その時の美川憲一は、今のように芯の通った凛々しい雰囲気ではなく、終始ふてぶてしい態度だった。

その姿は、美川憲一本人が「過去の自分を見ているようだ」と言うように、清水良太郎と被って見えた。

だからこそ、余計に清水良太郎を放っておけなかったのだろう。

美川憲一の言葉には、「自分と同じ思いをさせたくない」という強い信念を感じた。

そんな美川憲一の必死の言葉に、ようやく清水良太郎も何かを感じたようで、徐々に神妙な顔つきになる。

そうして番組の最後には、営業先でお客に頭を下げる清水良太郎の姿が映し出され、めでたく彼は更生した、という締めくくりだった。

しかし、残念ながら、それはだったようだ。

美川憲一の言葉は、清水良太郎の心にはまるで響いていなかったらしい。

あれだけ美川憲一が親身になって説教したにも関わらず、清水良太郎はそれを活かせなかった。

今回の清水良太郎の逮捕は、美川憲一からすれば、さぞかし無念なことだろう。

清水良太郎が更生できなかった理由

清水良太郎が美川憲一の説教を身に染みなかったのは、ある意味では当然だと言える。

その理由こそが、今回私が最も伝えたいことでもある。

それは、清水良太郎が今まで本当の挫折を味わってこなかったからだ。

彼の経歴を見ると、デビューでいきなり大河ドラマに出演し、朝ドラ出演や歌手デビューなど、華々しいものばかりだ。

プライベートでも女性にモテていたという情報からも、その充実ぶりがうかがえる。

きっと、今までの人生、全てが順風満帆だったのだろう。

もちろん、本人からすれば大スターの「2世」ということで偏見をもらったり、苦悩したこともあったと思われる。

しかし、自分も同じ芸能界の道を進んだということは、2世であることの恩恵を授かっているということだ。

それは他の者よりも圧倒的にスタートラインが前にあることを意味する。

どう弁解しても、彼が恵まれていることは否定できない。

そのような人生を歩むにつれ、「自分は特別だから何をしても大丈夫」という根拠のない自信が生まれてしまったのだろう。

【挫折は早いうちに経験した方がいい理由】でも話したように、挫折を味わなかった人間はいつか必ず大きな損失を被る。

それがまさに今回の件に繋がったのだ。

美川憲一もそのことを感じていたのか、番組内でこう指摘していた。

逃げ切れちゃったことが逆に染みてないのよ、心に。

あなたの自信過剰が仇になっていくから。

どこかでへし折んなきゃいけないの。

美川憲一が言うように、もし清水良太郎が最初の騒動で逮捕されていれば、こんなことにはならなかったはずだ。

ある意味では、美川憲一は逮捕されたことによって、そのことに気づくことができた。

それは人生の尺度で考えれば幸運だったと言えるだろう。

人は自分で「痛み」を感じなければ、本当の意味では更生できない。

だからこそ、挫折をなるべく早いうちに味わい、心の傷を最小限に抑えることで、その後の人生を実りあるものにすることができる。

勘違いしたままでいれば、いつか必ずしっぺ返しを喰らうことになるのだから。

そのことを心に留め、私達も日頃から奢り高ぶらないように行動しなければならない。

今回の清水良太郎の件は、そのことを私達に再び確認させる教訓となったはずだ。

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