新海誠の本当の凄さとは何なのか

映画『君の名は。』の興行収入が200億円を超えたというニュースを読んだ。

この数字がどれほど凄いことなのか、それがわかる比較対象として、2001年に放映された『ハリー・ポッターと賢者の石』が挙げられる。

『ハリポッター』は203億円と公表されているので、君の名はそれに次ぐ興行収入(2016年12月現在)ということになる。

ちなみに、その下には『ハウルの動く城』(196億円)、『もののけ姫』(193億円)が続いている。

まさに近年では、異例となる超大ヒット作品と言えるだろう。

スポンサーリンク

新海誠作品の魅力

『君の名は。』が、これだけのヒット作にはなるとは、放映された当時は誰も予想しなかったはずだ。

もちろん、私もこの作品は見させてもらった。

実を言うと、私は昔から新海誠の隠れファンである。

多くの人は知らないだろうが、元々彼はゲームのオープニングムービーを作成したことで話題になった人だ。

当時、まだゲームのオープニングにアニメーションが普及していなかった頃、その時代に一際クオリティの高いムービーを作成したことで有名になったのが新海誠である。

中でも、特に私が好きなのが『Wind -a breath of heart- 』と『ef – the first tale. 』だ。

このオープニングムービーを最初に見た時の衝撃は、今でもハッキリと覚えている。

それほどまでに、彼の作品には惹きつけられるものがあった。

さらに驚かされたのが、2002年公開の『ほしのこえ』だ。

この作品を、彼はなんとほぼ一人で作ったのだ。

アニメは一人では作れないという、それまでの常識を見事に覆した。

しかし、新海誠を語るには、やはり2007年に公開された『秒速5センチメートル』は外せないだろう。

個人的には、彼の作品の中で私が一番好きな映画だ。

ストーリーはさることながら、演出、原画、構成など、素人観点からしてもハッキリとその凄さがわかる。

特にラストの踏み切りシーンの演出は、私の心の中に生涯忘れられないほどのせつなさを刻み込んだ。

興味がある方は是非とも一度見てもらいたい。

ただ、この時の衝撃がある分、今回の『君の名は』には少々物足りなさを感じてしまっているのも事実だ。

新海誠の本当の凄さ

さて、これだけ新海誠作品の魅力を語った後だが、私が彼を尊敬している本当の理由は作品の凄さではない。

それは若者層に絶大な支持を得ているということだ。

どんなに素晴らしい感性を持っていたとしても、人間は年をとるにつれ、どうしても感性が変わってしまう。

それは生きていくうえで、色々な経験をし、世界観や考え方の視野が広がるためだ。

これ自体は、一概に悪いことだとは言い切れない。

だが、10代の頃の感性とは全くの別物になってしまうことは事実である……。

ところが、新海誠氏はその障壁を見事に打ち破ってくれた。

彼は今年で43歳(2016年現在)である。

その年で、10代の心を揺さぶることができるのは本当に凄いことだと思う。

これは、彼の中に、まだ0代と同じ感性が残っているという証拠だ。

まさに【年齢にとらわれないことの大切さ】のお手本と言えるだろう。

新海誠の本当の凄さは、この感性の維持にこそあると私は思っている。

私も彼のように、いつまでも10代の感性を持ち続けられる人間になりたい。

スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク