ネットで『乃木坂46』の「川村真洋」の熱愛発覚が騒ぎになっている。
出所は、特大スキャンダルを提供することで有名な週刊文春だ。
川村真洋は彼氏との「お泊り」の現場を撮られ、すでに彼氏も交際を認めているとのことで、もはや言い逃れは出来ない状況である。
知らない人のために補足しておくと、『乃木坂46』とは、2016年の紅白にも出場している、現在ではアイドル界の1、2位を争う大人気グループだ。
そのメンバーの熱愛報道となれば、週刊誌としては最高峰のネタだろう。
これだけ大騒ぎになったことからも、そのブランド力の高さがうかがえる。
そんな『乃木坂46』だからこそ、今回の熱愛報道はアイドル界にかなりの激震を走らせることとなった。
そこで、今回は私なりのアイドルの恋愛禁止について自論を述べたい。
アイドルはブランド力が命
まず前提として、『乃木坂46』は公約で恋愛禁止を掲げている。
なので当然、今回の熱愛発覚は叩かれても仕方のないことだ。
だが、この手のスキャンダルがされた時には、必ず擁護する者達が現れる。
アイドルだって一人の女の子なんだから恋愛したっていいだろ。
彼等の意見は決まってこのようなものだ。
私は、この意見に異を唱えたい。
たしかに、彼女達を一人の女の子として見た場合は、その意見は正しいだろう。
しかし、彼女たちは一人の女の子の前に、アイドルという商品なのだ。
よく誤解されがちだが、私は、アイドルで重要なのは個人の資質よりも、そのブランド力だと思っている。
わかりやすく言い換えれば、その人物のイメージだ。
いつも笑顔で悩みがなさそう、ちょっと天然だけどそこが可愛い、いつもクールで美人だ。
このように、より多くの人にキャラを印象づけようと、運営サイドは必死にそのアイドルのイメージを作り上げる。
そして、そのブランドを支える大前提ともいえるのが「恋愛禁止」なのである。
どんなに運営側がそのアイドルのブランド力を高めても、恋愛禁止の大前提が壊されれば、全ては水の泡だ。
これは例えると、日本産のうなぎと海外産のうなぎのようなもの。
老舗の名店で出すうなぎは、味は元より、日本産であるという前提があるからこそ、客は高いお金を払ってでも食べたいと思うのである。
たとえどんなに店員が美味しいと謳っても、これが海外産と聞けば客は一気に遠のくだろう。
これと同じ原理がアイドルの恋愛禁止にも働くのである。
恋愛禁止という保証の重要性
運営側がアイドルのブランド力を高めても、恋愛禁止という保証がなければファンはついてこない。
ファンの中には、自分の推しメンと「もしかしたら関係を持てるかもしれない」という期待を持っている者もいるからだ。
この希望があるからこそ、一人で何十枚ものCDを買い、握手権を手に入れ、推しメンの子を自分が支えなければいけない、という使命感が芽生えるのである。
それも前提には「恋愛禁止」という保証があるからこそだ。
残念ながら、最初から他の男を匂わせている子には、なかなかこのような気持ちを持つことはできないだろう。
つまり、恋愛禁止という保証を掲げているにも関わらず、その前提を壊されることは、ファンにとっては裏切り以上に詐欺行為をされたことに近い。
それほどまでに、アイドルの恋愛禁止という前提条件は、多くのファンにとって重要なことである。
もし、最初に話した擁護意見のように、アイドルが恋愛することを認めるとするならば、それは最初から恋愛は自由であることを公言している時だけだ。
これならば最初から恋愛自由とわかって応援しているので、後から恋愛スキャンダルをされても、そのファン達が文句を言う資格はない。
だが……果たして、それで売れるのかと聞かれれば別問題だが……。
やはり、恋愛禁止を掲げてファンからお金をもらっている以上、アイドルという職業と恋愛の自由は成り立たないのである。
さらに、このような恋愛スキャンダルはファンだけでなく、同じグループの他メンバーにも強い影響を与えることになる。
同じグループである以上、全員が同じように恋愛禁止の規律を守っている。
しかし、規律を破る者が一人でも発覚してしまえば、それは紛れもないメンバーへの裏切り行為となる。
当然、他のメンバーからは規律を破ったことに対する反感を買うだろうし、本人も一人だけ抜け駆けした罪悪感から負い目を感じるのではないだろうか。
なにより、他にも同じような者がいるのではないかと疑心暗鬼にとらわれ、グループ自体のブランド力を低下させることに繋がりかねない。
少々気の毒ではあるが、やはり、今回のように恋愛が発覚したアイドルには、本人のためにも他のメンバーへの示しのためにも、グループから解雇、または左遷は仕方のないことだと私は思う。
男性ファンと女性ファンの恋愛観の違い
最後に余談だが、このような恋愛発覚騒動は、男性アイドルと女性アイドルではファン達の感じ方が少々違うようだ。
女性アイドルの場合、ファンは男性が多いことから、今回のような恋愛発覚は大騒動となる。
しかし、男性アイドルの場合、つまり女性ファンの多くは恋愛発覚程度ではファンを辞めることはない。
だが、これが結婚となると話は別である。
以前、知人の女性とそのことを話す機会があり、こんなことを言われたことがある。
「別に付き合っててもいいけど、結婚だけは許せない。結婚したらファンを辞める」
どうやら女性ファンの場合、「恋愛」と「結婚」の間にはかなりの差があるようだ。
ふと思い返してみれば、福山雅治の時も、恋愛報道の時はさほど話題にならなかったが、結婚を公表した時には女性ファンからの反感が凄まじかった覚えがある。
恐らく、この辺りの感覚は、本能からくる性差の違いなのだろう。
男性はより多くの種をバラまく本能のため、付き合った時点で自分の女だと認識し、女性は一人の優れた男性を選び抜く本能から、結婚して始めて相手に奪われたと思うのかもしれない。
※追記
アイドルの恋愛禁止論について続編を書きました。