世の中には「人生がつまらない」と嘆く人で溢れている。
毎日、家と会社(学校)だけを往復し、まるで充実感が感じられない生活。
「平穏な日々」と言えば聞こえはいいが、本人からすれば生きる活力を得られない深刻な悩みなのである。
生きる活力が得られなければ、いずれは人生そのものに疲れてしまう。
昔はあんなにもイキイキしていたのに、一体いつから「人生がつまらない」と感じるようになったのか。
今回は、人生がつまらないと悩む人に向け、人生がつまらない理由とその解決方法を伝授したい。
「人生がつまらない」のよくある誤解
人生がつまらない理由を探る前に、まずはあなたに知ってもらいたことがある。
これはとても大事なことなので、心して聞いて欲しい。
それは、「人生がつまらない」と「人生がつらい」は別物だということだ。
両者は似ているようで全く異なるものである。
私も過去に「人生が辛い」と感じた時期があった。
その時は、未来に希望を全く持てず、生きる気力を失っていた。
毎日絶望に打ちひしがれ、何もする気が起きない。
一時は本気で生きることを放棄しようとさえしたこともある。
その時期を経験したからこそ言えるのだが、「人生がつまらない」という悩みは「人生がつらい」という心境に比べると、大分幸せなことである。
前者を「倦怠期」とするならば、後者は「絶望期」だ。
それほどまでに、両者の悩みの質は違うのである。
もちろん、だからと言ってあなたに「人生がつまらないことで悩むな!」と説教するつもりはない。
「人生がつまらない」という悩みも、れっきとした悩みなのだから。
大事なことは、両者を混同して捉えないこと。
「人生がつらい」という人に、「人生がつまらない」と悩む人が共感を求めても、相手には全く響かない。
それどころか、最悪の場合、相手は自分が侮辱されたと感じることさえある。
それほどまでに「人生が辛い」と悩む人は、心に余裕がないのである。
どうか、そのことを忘れずに、くれぐれも注意してもらいたい。
自分は「人生がつまらない」のか「人生がつらい」のか、まずはそのことを明確にすることが大切である。
人生がつまらない理由
それでは、本題に入る。
あなたが「人生がつまらない」と感じる理由。
その答えは、心に刺激がないからだ。
刺激とは、心が揺れ動くこと。
人は生きる上で、心に刺激を感じないと退屈だと感じてしまうのである。
例えば、あなたは年を取るにつれ、「時が過ぎるのが早くなった」と感じることはないだろうか。
世間でもよく言われていることだが、実は、このことは人生がつまらないことと密接に関係している。
端的に言うと、人の体感時間は心の刺激に連動しているからである。
まだ学生の頃は、多くの人が心に刺激を受ける機会に恵まれている。
毎年変わる学年、クラス替え、季節行事、席変えなど、普通に生活しているだけでも常に変化を強いられるからだ。
だが、これが社会人になり、サラリーマンとなれば、刺激を受けるのはせいぜい新年度くらいであり、毎日ほとんど何も変化がない。
ある意味では幸せなことだが、こうした刺激のない日常を送り続けると、心はどんどん枯渇していく。
いうなれば、心に潤いが全くない状態になってしまうのだ。
そうして、最後には「人生がつまらない」と感じるようになってしまうのである。
つまり、あなたが「時が経つのが早い」と感じているのは、それだけ心に刺激を受ける機会が少ないことを意味している。
しかし、これは逆に言えば、心の刺激さえあれば、人は年齢など関係なしにイキイキとすることができる、ということだ。
多くの人は、「時が経つのが早い」と感じるようになった理由を老化のせいだと思っているが、それは勘違いである。
とある実験では、被験者に1分間にボールが弾む回数の違う二つの映像を見せ、どちらの映像が時間が短く感じたかを検証したところ、弾む回数が少ない方が短く感じたという結果が出ている。
このことからもわかるように、人は同じ時間でも、心の刺激(イベント)が少なければ時間の経過は短く感じるようにできているのだ。
つまり、心の刺激が少ない人が「人生がつまらない」と感じるのは、必然の結果なのである。
では、どのようにしたら心に刺激を与えられるのか。
次項では、その方法を伝授する。
「人生がつまらない」を解決する方法
心に刺激を与える方法は色々あるが、中でも、特に私がオススメしたいことがある。
それは、夢を持つことだ。
人は夢を持つことで、心に活力が湧いてくる。
その夢を叶えるためなら、時には辛いことや苦しいことでも乗り越えられる。
夢を持つことには、それほどまでに強いパワーが備わっているのだ。
まさに、人生のカンフル剤である。
ただし、この夢を持つというのは簡単なことではない。
なぜなら、人は年を取るにつれ、自分の可能性に見切りをつけてしまうからだ。
若いうちは、自分は何にでもなれるという万能感を持っている。
それは【若者がキラキラしている理由】でも話したように、本当の挫折を味わっていないことに起因する。
だが社会人になれば、否応にも「自分の力ではどうすることもできないこと」を経験してしまう。
そうした経験を積むにつれ、人は次第に自分の限界を悟るようになる。
「自分なんてこんなものだろう……」
自分という存在を、どうしても一歩引いた目で見てしまうのだ。
ある意味、これは本当の意味で大人になったとも言えるのだが、「人生を楽しく生きる」という観点からすればマイナスである。
もし、今のあなたに心の刺激がないのなら、まずは夢を持つことから始めて欲しい。
大きな夢を持つことは、人生を豊かにする重要な材料だ。
それだけでも、今まで退屈だった日常が全く違う景色に見えてくるはずだから。
ただ、それでもどうしても夢を持つことができない、という人には、もう一つの方法を試してもらいたい。
それは、旅に出ることである。
前述したように、人生がつまらない大きな理由は心に刺激がないからだ。
ならば、物理的に心に刺激を与えればいいのである。
どんなに感動が薄い人でも、自分の知らない土地で知らない景色を見れば、それだけで心に刺激が加わる。
人によっては、それが人生の閉塞感を打ち破るきっかけとなるだろう。
旅とは、人の心に栄養を取り戻してくれるサプリのようなもの。
普段とは違う非日常を味わえば、まるで子供時代に戻ったようにワクワクした気持ちが湧き上がってくる。
一番手っ取り早いのは外国に行くことだが、国内でも十分にその気持ちを味わうことができる。
東日本と西日本だけでも、住んでいる人の考え方や文化は全く違うものだ。
人生がつまらないと悩むは、是非一度試してもらいたい。
きっと今まで得られなかった感動(心の刺激)が得られるはずだから。
人生を面白くするために必要なこと
ここまで、人生がつまらない理由とその解決方法を話してきた。
いずれも「人生がつまらない」を解消するためには大切なことである。
だが、人生を面白くするためは、もっと大事なことある。
それは「人生を楽しむ」という心構えだ。
私が思うに、人生がつまらないと悩む人は、「自分の作り上げた幸せの定義」に固執しすぎている。
「幸せとはこうあるべきだ」という絶対的なとらわれ。
そのとらわれのために、人生を楽しむことよりも、自分の中にあるルールを守ることに固執している気がしてならない。
特に多いのが、「今を我慢すれば、いずれは幸せになれる」という考えだ。
これは、幸せ(成功者)になるためには努力や苦労をしなければならない、という考えに基づいてる。
だが、【「成功者は努力や苦労している」という間違った考え方の危険性】でも話したように、成功と苦労は全く関係のないことだ。
誤解しないで欲しいが、成功するために努力をすることが悪いと言っているわけではない。
努力は成功の確率を上げる大切な要素である。
しかし、その努力がただ苦しいだけならば、人生においては全く意味がない。
面白い人生を歩んでいる人は、自分が好きなことだけに労力を注いでいるのである。
決して嫌々努力しているわけではないのだ。
つまり、「人生がつまらない」を解消する最大の方法は、嫌いなことを極力しないことである。
きっと、あなたは心の奥底で「好きなことだけをして生きてはいけない」と思っているだろう。
だが、それは思い違いである。
人生とは、とことん楽しんで良いのだ。
自分の周囲にあるものを「自分の好きなモノ」だけで満たせば、自然と人生は楽しくなる。
もちろん、仕事も含め、生きる上では常に楽しいことばかりではないかもしれない。
しかし、自分の中に「好きなことだけをして生きてはいけない」という気持ちがある限り、永遠に人生を楽しむことはできない。
あなたはもっと自分の欲望に忠実になっていい。
「しっかりと生きなければならない」などという思い込みにとらわれなくていいのである。
良い意味で、もっと適当に生きるべきだ。
【捨てる勇気を持つことの大切さ】でも話したように、人は背負うモノが多ければ多いほど、生きづらくなっていく。
世間の声に流されず、これからはもっと自分の気持ちに素直になって生きて欲しい。
最後に、人生がつまらないと悩む人に向けて、この言葉を贈って記事を締めることにする。
人生はいつ終わっても不思議ではない。
その時になって「やりたいことをやっておけばよかった」と後悔しても遅いのだ。
どうか、そのことを心に留め、一日でも早くつまらない人生から脱却して欲しい。
あなたが「人生がつまらない」を解消し、楽しい人生を送れることを私は願っている。