捨てる勇気を持つことの大切さ

人生を向上させるためには、一体何が必要なのか。

この問いに対して、多くの人は「増やすこと」だと答えるはずだ。

金、名誉、知識、人脈など、増やした方が良いとされるモノは世の中に数多く存在する。

増やせば増やすほど人生は豊かになる。

この格言を信じて「増やすこと」に執着している人は後を絶たない。

だが、果たして本当に「増やすこと」は人生を豊かにするのだろうか。

いや、私は決してそうは思わない。

人生を向上させるためには「増やすこと」よりも、時には「捨てる勇気」を持つことの方が何倍も大切なのだ。

今回は、「捨てること」が人生においていかに大事なのか、そのことを詳しく語りたい。

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情報を捨てることの大切さ

どんなに栄養価の高い食べ物でも、食べ過ぎれば体にを引き起こす。

このことは周知の事実である。

それと同様に、増やし過ぎれば害になることは食べ物以外にもある。

その代表とも言えるものが「情報」である。

「世の中には知らない方がいいこともある」という言葉があるように、知ってしまうことで、その人にとっては逆にマイナスになることもあるのだ。

現代社会はインターネットの発展により、情報が簡単に手に入れられるようになった。

便利になった反面、知らなくてもいい情報までもが簡単に耳に入るようになってしまったのだ。

特に、ネットの世界はネガティブな情報で溢れている。

あなたが何かを始めようと意欲的になっても、ネットでネガティブな情報を見れば、たちまちやる気は削がれてしまう。

さらに言えば、ネットでは成功者の体験談も簡単に見ることができる。

【相手に嫉妬しないための究極の対処方法】でも話したように、あなたが嫉妬深い人間なら、そのこともまた、あなたの意欲を失わせる原因となるだろう。

これでは、せっかく固めたあなたの決意は台無しである。

ネットの情報に振り回されている限り、あなたはいつまで経っても主体性を持つことができないのだ。

もし、あなたにその自覚があるのなら、一つ心に留めてもらいたいことがある。

それは、ネットの情報は全てが真実だとは限らない、ということだ。

少し考えればわかることだが、意外にもこの事実を見落している人が多い。

特に気をつけた方がいいのが、「やたら自分の成功体験を話してくる人」や「あなたを否定するようなネガティブな情報」を目にした時だ。

それは事実ではなく、単に「自己顕示欲を満たしたい」「他人の足を引っ張っりたい」という、自分本位な心理が隠されている場合が多い。

昨今はスマホの普及もあり、手軽にネットの世界に繋げられるようになった。

そのような環境の中では、つい誘惑に負けて「ネットニュース」や「まとめサイト」を見てしまう気持ちもわからなくはない。

しかし、だからこそ自分自身でネット情報を「捨てる勇気」を持つ必要があるのだ。

ネット情報を捨てることが、あなたの精神安定を生み、ひいてはそれがあなたの人生を向上させることに繋がるのである。

今後はネット情報に振り回されず、自分の内面に目を向けてもらいたい。

人間関係を捨てることの大切さ

増やすことが良いと勘違いされているものは他にもある。

それは「人脈」だ。

自己啓発本やビジネス書を読むと、必ずと言っていいほど「人脈を広げることが大事」と説かれている。

その言葉を信じて、世の中の多くの人は人脈を広げることに躍起になっている。

たしかに人脈があれば、困っている時に助けてもらったり、目標達成のために役立てることもあるだろう。

しかし、それは本物の人脈が作られている場合の話だ。

多くの人が勘違いしていることは、ただ人脈を広げればいいと思っていること。

当たり前だが、「知り合い」程度の関係を多く作っても、それは本当の意味で人脈があるとは言えない。

結局のところ、なぜ多くの人が人脈を広げることに執着するのかといえば、それは自分の利益のためである。

この人と繋がっていれば何か自分に良いことがあるかもしれない。

そのような打算的な思考が、多くの人に「人脈を広げることが大事」だと錯覚させてしまうのだろう。

だが断言するが、そのような打算的な関係は長く続くことはない。

むしろ、その打算的な関係を保つために、あなたは余計なストレスを増やすことになる。

ギブアンドテイクという言葉があるように、打算的な関係を保つためには、あなたも相手に「与えなければ」関係は成立しないのだ。

よって、時には行きたくない飲み会やイベントにも嫌々ながら参加しなければならない。

しかし、そうやって自分の気持ちに嘘をつき続ければ、あなたの心はどんどん疲労していく。

【あなたがリア充に向いてない理由】でも話したように、あなたが内向的な人間なら尚更だ。

それでは、あなたの人生はいつまで経っても向上しない。

人脈作りで大事なことは、広げることよりも、むしろ「捨てる」ことなのである。

あなたが一緒に居て不快に思う人や楽しくないと感じる人はどんどんと捨てていく。

そうやって厳選し、一緒にいて心地良いと感じる人とだけ関係を続けていけばいい。

例えるなら、それは人間関係のダイエットである。

ここで一つ、大事なことをあなたに伝える。

自分にとって必要な人脈とは、本来作るものではなく、自然と出来上がるものなのだ。

そういう人達こそ、いざという時にあなたを支えてくれる。

今後は無闇に人脈を広げることに執着せず、居心地の良いコミュニティにだけ参加するように心掛けて欲しい。

執着心を捨てることの大切さ

あなたの人生を向上させるために、真っ先に捨てなければならないものがある。

それが執着だ。

多くの人が勘違いしていることは、夢や目標を実現した時に本当の幸せが訪れる、と思っていること。

「これを手に入れた幸せになれる」「自分がこうなれたら幸せになれる」

自分の理想を追求するあまり、そのことへの執着心が高まってしまうのである。

だが、その想いは、人生を向上させるためには非常にマイナスな要素だ。

【人間の欲望に際限がない理由】でも話したように、人は一つの目標を成し遂げても、必ずまた次の欲望が生まれてくる。

人間の欲望の連鎖に終わりはない。

あなたの理想が高ければ高いほど、その欲望の連鎖もまた大きくなっていく。

つまり、自分の理想に執着し続ける限り、あなたは永遠に苦しめられることになるのだ。

それでは、いつまでも経っても本当の幸せは掴めない。

人生を向上させたいと願うなら、まずは執着心を捨てること。

仮にあなたの幸せが、それを手にする(目標を達成する)ことで得られるとしてもだ。

なぜなら、その執着心がある限り、あなたの「手に入れたいモノ」は遠ざかっていくからである。

人生とは不思議なもので、「欲しい欲しい」と強く執着している時には手に入らずに、忘れた頃に手に入る、ということが多々ある。

なんとももどかしい法則だが、人生とはそういうものなのだろう……。

よって、本当に手に入れたいモノがあるのなら、まずはそのことへの執着を捨てることが大切だ。

遠回りに思えても、それがゴールへの近道なのである。

そのことを心に留め、どうか焦らずに日々を楽しく過ごしてもらいたい。

過去を捨てることの大切さ

ここまで話してきた「捨てる」ことは、いずれもあなたの人生を向上させるためには必要不可欠なことだ。

しかし、捨てることによって効果が得られることはまだ他にもある。

それこそが、捨てることにおいての最も重要なことだと言ってもいい。

それは、捨てることによって「余力を作れる」ということだ。

人にはそれぞれのキャパシティ(容量)がある。

何か新しいことを始めようとしても、すでに容量が埋まっていれば、自分に吸収されることは決してない。

多くの人は年を取るにつれ、今まで培ってきた人脈や環境に縛られ、新しいことにチャレンジする気力がなくなっていく。

新しいことに興味を失ってしまえば、心はどんどんと老いていく。

「心の老い」に実在年齢は関係ない。

昨今、無気力な若者が問題視されているように、たとえ10代だとしても心は老いるのだ。

心が老いた状態では、何も生み出すことはできない。

それはつまり、変革がもたらされないことを意味する。

日本社会が閉鎖的なのも、大きな要因は「心が老いている人」が多いからだと私は思っている。

「捨てること」は、決して否定的なことではなく、変革するための準備段階なのである。

過去の失敗嫌な思い出ばかりにとらわれ続けたり、反対に過去の栄光ばかりに目を向ける。

そんな状態では、一向に前には進めない。

前に進むためには「過去の自分」を捨てなければならないのだ。

一度手にしたモノを捨てることは、最初は物凄く抵抗を感じるかもしれない。

しかし、そこで立ち止まっていては、人生はいつまでも停滞したままだ。

人生を向上させるために必要なこと、それは新しい刺激を求め続けることである。

新しい刺激を求め続ける向上心があれば、たとえ年を取っても、心はいつまでも若いままでいられる。

あなたには、そういう人になってもらいたい。

どうか「捨てる」ことを恐れずに、新しいことにチャレンジする気持ちを忘れないで欲しい。

あなたが過去のしがらみを捨て、新しい自分に生まれ変われることを、私は心から願っている。

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